地域を共に創っていく「地域共生社会」の実現に向けた社会福祉士会の活動
日頃より群馬県医師会をはじめ群馬県内の関係団体の皆様には、本会に格別なるご支援、ご協力を頂き誠にありがとうございます。
群馬県社会福祉士会は、平成4(1992)年に設立され令和4(2022)年には30周年を迎えました。
この機に「30周年記念行事の開催」「30周年記念誌の発行」を計画し準備しております。
この計画は、有資格者、有志が思いを寄せて立ち上げた当会が、今日に至るまで辿ってきた道を知るプロセスとなり、私たちソーシャルワーカーがこれからも大切にしていくべきことを学ぶ機会になると思います。
改めまして、社会福祉士とは、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって社会福祉に関する相談援助を行うことを業とする名称独占の国家資格です。
昭和63年の制度施行から現在に至るまで、約25万人(令和3年5月末現在)が資格を取得しております。
社会福祉士の主な就労先は、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、老人保健施設、福祉事務所、医療関係機関、社会福祉協議会、児童相談所、教育関係機関、障害者相談支援事業所、自治体、独立型社会福祉士事務所等、様々な分野で就労しておりますが、社会福祉士を置かなければならないのは(必置規定)、地域包括支援センターのみとなっております。
私たち社会福祉士は、人々が様々な生活課題を抱えながらも住み慣れた地域で自分らしく暮らしていけるよう、地域の住民や多様な主体が支え合い、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、そして、地域を共に創っていく「地域共生社会」の実現に向けて、体制の構築を進めていくことが求められており、社会福祉士がソーシャルワークの機能を発揮することが期待されております。
こうした福祉ニーズの中で、当会は、令和4(2022)年「中長期計画」を策定し、加入率の増加、参加しやすい、参加したくなる研修や活動の再構成など組織運営体制の強化に取り組んでおります。
COVID-19の影響で思うように活動できず苦慮した3年間でしたが、こうした取り組み、活動を通じて、力量形成の機会に恵まれ、他分野・多職種の会員同士でのネットワークを築いていくことが「地域共生社会」の実現への第一歩と考えております。
今後も、微力ではございますが社会に寄与できる活動を展開してまいりたいと存じます。
理事 石井純子
群馬県社会福祉士会における多職種連携への取り組みと課題
時下、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素より群馬県社会福祉士会に対しまして、格別なるご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。また、オール群馬(多職種連携推進協議会)の一員として参加させていただいておりますことも併せて感謝申し上げます。
群馬県社会福祉士会は、平成4年5月16日任意団体として設立され、平成21年には一般社団法人となりました。
現在30年の節目を迎えております。
会員数は約670人と徐々に増加しておりますが、組織率を見ると右肩下がりの状況であり職能団体としての大きな課題であると感じております。
群馬県社会福祉士会における他の職種との連携というと以下の事業が代表的なものとなります。
- ぐんまつなごうネット
- ぱあとなあ群馬と弁護士会・司法書士会の連携
- ソーシャルワーカーデー in ぐんま
群馬弁護士会、群馬司法書士会、群馬県精神保健福祉士会と平成28年に「刑事手続に付随する司法ソーシャルワークに関する申し合わせ」を締結しました。
再犯防止と社会参加を目的として相互協力する体制構築をしています。情報交換を目的とした定例会及び研修会を実施しています。
群馬弁護士会、群馬司法書士会と成年後見制度の利用促進について、また後見業務についての情報交換などを行ってきました。
また、虐待対応専門職チームとして弁護士会・司法書士会と協定を締結し、必要に応じた個別ケースへの相談・会議への出席などの対応を行っています。
群馬県医療ソーシャルワーカー協会、群馬県精神保健福祉士会、いわゆるソーシャルワーカー三団体合同での企画です。ソーシャルワーカーデーである海の日にあわせ、ソーシャルワーカーの周知や活動の推進を行っています。
令和2年には新型コロナウイルス感染症が社会に大きな影響を与え、それは社会福祉士会も例外ではなく、それまでは当たり前のように行っていた「集まって」連携することができなくなりました。
群馬県社会福祉士会では、オンラインサポートチームとして「TEAMオンライン」を設置し、連携の在り方の1つとしてオンラインツールの活用を推進することとしました。
事務局の協力もあり、多くの会員が、勉強会・研修会・情報交換会など連携の場においてオンラインツールを活用できるようになっていると思われます。
先にも記述しましたが、社会福祉士会の組織率は低下傾向にあります。ソーシャルワーカーの職能団体として、多職種連携を推進していく立場にあるわけですが肝心の組織率が低下傾向では、一部の社会福祉士にしかその意図が伝わりません。
そのため、群馬県社会福祉士会では、組織率の増加、全員参加型自己研鑽、組織力の向上を目標とした5か年の中長期計画を策定致しました。
中長期計画を進め、本会会員はもちろんのこと県民の皆さまからも信頼されるような団体を目指し、その上で多職種連携・多職種協働に取り組んでいきたいと考えております。
今後ともよろしくお願い致します。
副会長 小川貴之(おがわたかゆき)