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群馬県介護支援専門員協会

多職種連携推進協議会の活用で、各団体とのネットワーク構築を目指して

多職種連携推進協議会が令和5年6月23日に開催され参加いたしました。
各団体の事前アンケート調査(①医療介護連携 ②感染症対策 ③災害時対策 ④LIFE ④その他)に基づき、群馬県健康福祉部健康長寿社会づくり推進課の方を交え、21団体の実践や課題などを共有しました。
各団体の活動を共有する事は自分の団体の課題解決のためにも有効です。特に、感染症や災害時の対策、BCP策定など、各団体の取組を知り、連携の重要さを実感しました。

群馬県介護支援専門員協会では、災害対策委員会を立ち上げて、北関東(茨城県・栃木県・群馬県)介護支援専門員協会の災害対策委員との連携を図るために月1回情報交換を行ない、取り組みなどを共有しています。
また、介護保険法では、全ての介護サービス事業所を対象に、BÇPの策定が義務付けられ、その経過措置の3年が今年度いっぱいとなっております。
各事業所ではBCP策定が進んでいると思いますが、それを応援するために、当協会では合同研修会を開催しています。
介護支援専門員は平時の時から何を備えて置いたらよいか?いざというときにどのような行動を取ればよいか?などのBCPを策定する上での課題を把握し、BCP作成に役立てるためのものです。

その研修後にアンケートを取ったところ、以下の不安が寄せられました。

  1. 災害情報の確認はどうしたらよいか
  2. 利用者の安否確認の方法は
  3. 何処に受け入れの病院や施設があるか
  4. 薬の確保はどうすればよいか
  5. 利用者に必要な介護サービスの情報やその確保は
  6. 様々な問題が出てきたときに何処に連絡をすればよいか、そして連絡方法は
  7. 自分自身が災害にあった時、事業継続できるか 等々

災害にあった時、介護支援専門員だけのネットワークでは情報不足です。
介護支援専門員は、利用者をアセスメントし、身体機能や環境面での課題から、必要なサービスに結び付ける仕事をしていますが、災害時にはその情報が不足します。
この多職種連携推進員会の各団体が、ネットワークを構築し、もしもの時に必要なサービスのニーズと手立てのパイプになれたらと思います。
「ここに、こんなサービスを希望している人がいる(ニーズ)」「自分の団体からは、専門職を派遣が出来る(手立て)」を共有し、利用者のニーズを各団体の取り組みに繋げることが、利用者の生活を支える事に繋がると思います。
平時の時から連絡体制を整え、タイムリーに各団体の情報や研修の案内などを共有し、自分たちの活動を他の団体の方々に理解していただく事に加え、非常時に備えた合同訓練などを行うことで、地域の方々に必要な情報が届けられ、安全で住みやすい地域づくりに貢献することが出来ると思います。

当協議会がそのような存在に発展することを願っています。

一般社団法人 群馬県介護支援専門員協会
副会長 中西有美子


群馬県介護支援専門員協会における多職種連携

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より群馬県介護支援専門員協会に対しまして、格別なるご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

群馬県介護支援専門員協会においては、介護支援専門員の業務が、もはや介護保険制度におけるサービスのマネジメントに留まらず、その支援の幅が拡大している現状と多職種連携の重要性について述べさせていただきます。

◎若年がん患者在宅療養支援事業
今年度、県より「群馬県若年がん患者在宅療養支援事業」の要綱が示されました。介護保険制度の活用ができない0歳から39歳の若年がん患者が住み慣れた自宅などで自分らしく自律して過ごせるように支援していく制度であり、サービスの紹介や調整など制度運用に当たり介護支援専門員が担う役割が期待されており、報酬も明らかになっています。

◎仕事と介護の両立支援
「介護離職」が大きな社会的課題として顕在化するなか、家族の介護を抱えて働く人が仕事と介護を両立できる社会の実現を目指し、企業とその社員をサポートするための専門的な知識を持った「ワークサポートケアマネジャー」の養成が始まっています。
労働関係法令は元より、仕事と介護の両立に関する幅広い知識・技術を修得し、仕事と介護の両立を支援するスペシャリストが誕生します。

◎ヤングケアラー問題
ヤングケアラーとは、家事や家族の世話などを日常的に行っている子供のことであり、社会全体で守り、支えていく事が求められています。
厚生労働省が文部科学省と連携した調査によれば、クラスに1~2人の子どもが介護をしている時代であり、多くの市区町村で大きな課題になっています。
「ヤングケアラー支援」の解決策として、介護サービスを受ける高齢者宅に定期的に出向く介護支援専門員が、その役割を担う上で適任の専門職と期待されています。

このように、新たな分野への進出の一つひとつには、社会的な背景や今後の我が国の在り方としての意図があり、介護支援専門員の守備範囲を広げていくことは、我々の社会的な役割をお示しできる、よい機会と捉えています。
「8050問題」や「ダブルケア問題」、「セルフネグレクト問題」など、従来の仕組みや制度では対応が難しい問題も顕在化しており、さまざまな知識とスキル、そして各専門機関や多職種との連携なくしては、その解決は困難な状況です。
2003年政府の閣議決定にて、国家資格と認められた介護支援専門員の養成においては、大学への養成課程の設置、教育の土台となるケアマネジメント学の習得、実習を受け入れる介護支援専門員のスキルアップの必要性など、教育システムを確立していく事も課題であり、今後も、医師会をはじめ、さまざまな専門職の皆様のご指導を頂きながら邁進してまいりたいと思います。

群馬県介護支援専門員協会
理事 中島麻衣子
会長 大澤誠
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