待つ福祉から出向く福祉
現在、群馬県内には183の単位民児協があり、令和4年12月の一斉改選により4,213名が民生委員・児童委員、主任児童委員として活動しています。
私たちの任期は3年ですが、前回の3年間(令和元年12月~令和4年11月)は、新型コロナウイルス感染症の拡大によりさまざまな行動が制限され、高齢者宅への見守りや訪問も直接会うことができませんでした。
そんな状況の中でも、電話や手紙のポスティング、インターホン越しの会話などで安否確認をしました。また、遠くから子どもたちの様子や安全を確認するといった、見守り活動をしていました。
令和5年5月にコロナの5類移行にともない制限もなくなり少しずつではありますが従前の活動ができるようになりました。
私の住む高崎市では724名の民生委員・児童委員、主任児童委員が活動しています。
高崎市では「待つ福祉から出向く福祉」を目標に掲げました。
これは市民が心配ごとや相談などしたいときに市役所へ直接行く「来てもらう」ではなく、相談を受けた市役所が相談者のところに「出向く」というシステムです。
これを実施するため、2015年に市内26か所に高齢者あんしんセンター(以下センター)を設置し、現在では29か所に増え活動しています。
このセンターでは、介護・福祉・医療・健康等さまざまな支援が出来るよう、市から委託された保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等の各専門職が業務を行っています。
安心して生活できるよう相談者のもとへ訪問することもあります。また、緊急時にも対応出来る体制を取っています。
他にも、高齢者ふれあいいきいきサロンへ出向き、軽い体操や介護予防の話など、わかりやすく話してくれます。
私の地区では、定例会などでセンター職員と地区の情報交換や情報共有をして活動しています。お互いの守秘義務があるので、安心しています。
そして、毎年民生委員・児童委員にセンターに関してのアンケート調査が行われ、ニーズや課題など把握し、センターの質の向上を図っています。
私たち民生委員・児童委員は地域の良き相談相手であり“つなぎ役”です。
センターに“つなぐ”ことにより、必要な方が必要な支援を迅速に受けられるよう努めます。これからもセンターと力を合わせ福祉の一端を担うべく努力をし、地域社会の実情を把握し、住みやすい地域づくりをめざし活動していきたいと思います。
今後も皆様のご支援、ご協力のほどよろしくお願いします。
会長 大谷良成
地域での民生委員のありかた
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より民生委員・児童委員協議会に対しご配慮をいただき心より感謝申し上げます。
現在、群馬県では4, 178名の民生委員・児童委員、主任児童委員が活動しています。
この制度は、大正6年岡山県において済世顧問制度として経済的な生活困窮者の支援を目的に始まりました。
翌年の大正7年大阪府において方面委員制度となり、各市町村に委員を置き活動する事が全国に広がり、現在の制度の基となったと言われています。
群馬県でも、大正14年に当時の前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎町でこの方面委員制度が実施されました。
現在では、35市町村の182地区において活動しています。
また、委員の任期は3年で(12月1日から3年度の11月30日まで)、次の任期も継続する委員が少なくなってきており、悩ましいところです。
そして、毎月開催する地区定例会では、民生委員・児童委員信条を朗読して会議を始めます。信条には「私達は、常に地域社会の実情を把握することに努めます」、「私達は、誠意をもって、あらゆる生活上の相談に応じ自立の援助に努めます」とあります。毎年実施しているひとり暮らし高齢者基礎調査や、私の地区では消防署の高齢者防火診断の連絡、小学校でのあいさつ運動など地域ごとの活動等を通して、地域のことを知るべく努力しています。しかし、アパートや集合住宅などでは、なかなか状況が把握しづらくなってきている課題もあります。
また、私たちには、さまざま相談がありますが、以前とは違い民生委員では対応できないことも多くなってきています。
私の地区では、さまざまな相談や問題の解決のため、ケア会議も兼ねて団地情報交換会を隔月で開催しています。
地区区長、団地理事、医療関係者、委託介護事業所、行政機関、地区担当民生委員、時には交番の警察官など、地域の様々な機関が集まります。そして、高齢者安心センター職員が中心となって、相談や問題ごとに情報交換を行い、いろいろな意見をいただきながら一つひとつ解決するよう努力しています。
コロナ禍においては、見守りや、訪問、安否確認など、地域住民との関わりが難しい状況でしたが、感染対策の徹底や玄関先での訪問等の工夫を重ね、活動を継続してきました。
委員活動の原則は、「発見・つなぎ・見守り」です。
一日も早い感染終息を願い、これからも地域福祉の一助となるよう努力していきたいと思います。
今後も皆様のご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
副会長 大谷良成